Q&A 所得税法・消費税法における みなし譲渡のすべて

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Q&A 所得税法・消費税法における みなし譲渡のすべて

類書なし‼ プロフェッショナル必携‼
イメージしづらい「みなし譲渡」の課税実務について、Q&A方式により具体的に解説。
多くの判例、裁決例、質疑応答事例を掲載し、論点のすべてを網羅。

A5判・460頁(H210×W148 21 660g)並製 
◆定価:4,400(税込)
◆ISBN978-4-909090-58-4 C2034
◆2021年4月23日発売
◆Cover 有吉 一男

《著者》
1978 年(昭和53 年)愛知県生まれ。愛知県立旭丘高校卒業後、慶應義塾大学文学部入学。その後、身内の相続問題に直面し、一念奮起し税理士を志す。税理士試験5 科目試験合格。一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻修士課程修了現在、同博士課程(専攻:租税法、研究分野:租税法)在学中。慶應義塾大学「租税に関する訴訟の補佐人制度大学院特設講座」修了。都内コンサルティング会社にて某メガバンク本店案件に係る、事業再生、事業承継、資本政策、相続税等のあらゆる税分野を担当。特に、事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験しており、同業士業からの御相談件数は40,000 件(令和3 年4月1 日現在、税理士・ 公認会計士・弁護士・司法書士等からの御相談業務)を超えており、豊富な経験と実績を有する。
 ・厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定(国家資格)試験委員
 ・認定経営革新等支援機関
【執筆実績】
ロギカ書房『Q&A みなし配当のすべて』
ロギカ書房『Q&A 課税実務における有利・不利判定』
ロギカ書房『Q&A「 税理士(FP)」「弁護士」「企業 CFO」単独で完結できる中小・零細
企業のためのM&A 実践活用スキーム』
ロギカ書房『Q&A 中小・零細企業のための事業承継戦略と実践的活用スキーム』
ロギカ書房『Q&A 非上場株式の評価と戦略的活用スキーム』
ロギカ書房『みなし贈与のすべて』
月刊 税経通信 2020 年9 月号 『特集Ⅰ “ 経営不振の子会社等の支援と税務―思わぬ寄附金認定を受けないために” 4 子会社への出向・転籍による支援策』
月刊 税理 2020 年6 月号『特集:いま求められるタックスプランニング』「タックスプランニングの傾向と求められる税理士の指導」「法人税を中心としたタックスプランニング」
月刊 税理 2020 年5 月号『特集:中小企業目線のM&A 対応とその周辺実務』「組織再編行為に絡む税務の留意点」
税務弘報 平成30 年4 月号「事業承継税制 平成30 年度改正の使い勝手のホントのトコロ」
税経通信 平成28 年10 月号「「種類株式」と「民事信託の活用」自社株承継スキームへの当てはめに係る留意点」
日本経済新聞朝刊 平成25 年12 月25 日21 面「マネー&インベストメント」にインタビュー記事が掲載、他多数
東京税理士会等セミナー件数は年間約180 本を超える。

《内容》
みなし譲渡は所得税法、消費税法でそれぞれ規定されています。両者とも課税実務では頻繁に生じる事項ではなくイメージしづらい、との声が多く聞かれます。このため、本書では章ごと、Q&A ごとに単独で、ピンポイントで参照できるよう構成を工夫しています。この性格から、通しで読むと、説明が重複します。イメージをつかんでもらうため、意図的にそうしております。
本書の特色はみなし譲渡、所得税法、消費税法、各法に係る課税実務で中小・零細企業で登場するケースを網羅したことです。中小・零細企業では事実上利用しない制度は意図的に詳細を割愛しています。また中小・零細企業実務を前提とした「留意点・盲点の総おさらいや、レアケースについての記述」に重点を置いています。
中小・零細企業実務においては、本書の内容では完結しない場合が非常に多く存在します。代表的な関連論点として「みなし贈与」「みなし配当」「税務上の適正評価額」が挙げられます。どれも誌面の都合で掲載できておりませんので下記拙著を別にご参照ください。
・税務上適正株価について拙著『Q & A 非上場株式の評価と戦略的活用スキーム』(ロギカ書房 2019 年)
・反射としての課税関係につき代表的なものとしてみなし贈与がありますが、これについて
拙著『みなし贈与のすべて』(ロギカ書房 2018 年)
・反射としての課税関係につき代表的なものとしてみなし配当がありますが、これについて
拙著『Q & A みなし配当のすべて』(ロギカ書房 2020 年)
弊所伊藤俊一税理士事務所は、主に中小企業・零細企業の事業承継、資本戦略、組織再編成、M&A、相続対策等々に係るご質問に特化した「コンサル質問会」( 主催: 株式会社KACHIEL( カチエル)http://kachiel.jp/lp/consultingquestion/)及び通常の課税実務に係る質問会「税務質問会」(事務局:株式会社バレーフィールドhttps://myhoumu.jp/zeimusoudan/)のご回答、及び複数社の会計事務所、税理士法人様の上記に係る顧問業務を取り扱っています。
本書のQ&A は上記の「実際に税理士等士業様」からご質問・ご相談を受けた事項を分類し直し、回答を「中小・零細企業実務に直結」という視点で、再編集したものです。本書の性格上、上記理由から極めて実践的な書籍になったものと思われます。
類書においても、本書の目次の項目に係る「基本的な課税関係」や「(法務等含めた)諸手続については網羅されている節があります。当然、そういった網羅性を重視した「教科書」も必要であることは否定していません。
しかし、課税実務では、税務上の基本的な取扱いは理解できたとしても、実践的な事例がないと具体的なイメージがつかず、申告調整や各種税額シミュレーションができないのが事実です。そこで、本書では、「ノウハウ」「アイディア」「知恵・創意工夫」といったものを現場のコンサルティングでの所感を踏まえながら、執筆しました。

《目次》
■所得税法編
Q1-1 譲渡所得の全体像
Q1-2 譲渡所得とみなし譲渡所得課税に係る基本的な考え方
Q1-3 譲渡所得の意義
Q1-4 譲渡所得の基因となる資産の意義
Q1-5 受益権分離型スキーム、信託受益権の質的分割における具体的な裁判例
Q1-6 「資産の譲渡」共有物の分割と分割清算金
Q1-7 「資産の譲渡」該当性/スワップ取引による金地金の移転
Q1-8 資産の譲渡と余剰容積利用権の移転等に係る対価
Q1-9 譲渡の意義
Q1-10 みなし譲渡所得課税について概要
Q1-11 みなし譲渡と憲法違反
Q1-12 みなし譲渡所得課税の立法趣旨
Q1-13 みなし譲渡所得課税制度の沿革
Q1-14 みなし譲渡所得課税における時価
Q1-15 客観的交換価値とは?
Q1-16 みなし譲渡と代物弁済に係る土地の時価
Q1-17 土地の譲渡価額と時価(審判所鑑定評価額)の関係
Q1-18 近傍土地は本件土地と立地条件等が大きく異なり、その売買実例価格は本件土地の時価を示すものといえるか?
Q1-19 特約条項付の売買契約と低額譲渡
Q1-20 負担付贈与契約と譲渡対価
Q1-44 法人税法における受贈財産の取得価額
Q1-45 所得税法9 条1 項16 号の規定の趣旨(二重課税)
Q1-46 土地のキャピタル・ゲイン(二重課税)
Q1-47 租税特別措置法39 条(二重課税)
Q1-48 法人に対する土地遺贈に係る二重課税問題
Q1-49 法人へ土地遺贈が行われた場合の所得税納税義務の承継
Q1-50 法人が遺留分侵害額請求権者に価額弁償をした場合の課税関係
Q1-51 受遺者が価額弁償をした場合の所得税及び相続税の課税関係(Q1-50 判例からの実務動向)
Q1-52 法人に対する遺贈と遺留分侵害額請求(数値例)
Q1-53 みなし譲渡資産に当たらない法人に対する遺贈と遺留分侵害額請求
Q1-54 遺贈の効力
Q1-55 遺留分侵害額請求権の「譲渡」におけるみなし譲渡課税発動の可能性
Q1-56 遺贈により株式と貸付金が同時に法人に移転した場合の株式評価
Q1-57 みなし譲渡と所得区分/同族株主が発行法人へ譲渡した非上場株式
Q1-58 発行会社への株式引渡し(みなし譲渡)
Q1-59 納税者は同族株主及び中心的な同族株主に該当し、配当還元方式は適用できないとされた事例(みなし譲渡)
Q1-60 取引相場のない株式の評価について、売買実例は客観的交換価値を的確に表しておらず評価通達により評価すべきとされた事例(みなし譲渡)
Q1-61 取引相場のない株式の時価(みなし譲渡)
Q1-62 限定承認により土地を取得した場合の課税関係(当局見解)
Q1-63 限定承認した場合の相続税及び譲渡所得の課税関係(当局見解)
Q1-64 限定承認があった場合の譲渡所得の計算(数値例)
Q1-65 限定承認とみなし譲渡について基本的な考え方(実例)
Q1-66 限定承認に係る課税実務のポイント
Q1-67 限定承認を受けた場合の相続税及び譲渡所得の申告の保証債務の事例
Q1-68 限定承認をした後に退職手当金が支給された場合の債務控除
Q1-69 限定承認に係る譲渡所得に対する所得税の申告期限(当局見解)
Q1-70 みなし譲渡と限定承認に係る裁判例
Q1-71 限定承認と不動産の債務弁済
Q1-72 限定承認をした相続財産から生じる家賃
Q1-73 非居住者である相続人等が限定承認をした場合
Q1-74 みなし譲渡関係(当局見解)
Q1-75 法人成りと現物出資に係るみなし譲渡(当局見解)
Q1-76 法人成りする場合の個人資産の会社への引継額(当局見解)
Q1-77 法人成りに当たっての注意事項(当局見解)
Q1-78 法人成りに当たり個人不動産を会社に賃貸する場合(当局見解)
Q1-79 所得税基本通達59-6 改正
Q1-80 令和2 年3 月24 日判決(当局見解)
Q1-81 所基通59-6 とみなし譲渡
Q1-82 同族会社の株式を別法人に譲渡した際の株式の時価は、売買実例価額によるべきとされた事例(みなし譲渡)
Q1-83 過去時点修正とみなし譲渡
Q1-84 所基通59-6 の調査対応
Q1-85 所得税法における時価(=価額)の考え方
Q1-86 法人税法における時価(=価額)の考え方
Q1-87 相続税法における時価(=価額)の考え方
Q1-88 財産評価基本通達における評価の考え方
Q1-89 総則6 項と財産評価基本通達における評価の考え方
Q1-90 個人が法人に対して非上場株式を譲渡した場合の課税関係について(当局見解)
Q1-91 トリプル課税
Q1-92 親子間土地売買の税務問題(当局見解)
Q1-93 配当還元方式で評価する従業員が、自社株を額面で発行法人に譲渡した場合(当局見解)
Q1-94 従業員持株会への譲渡とみなし譲渡
Q1-95 医療法人に係る出資持分の当該法人への譲渡、MS 法人への譲渡
Q1-96 破産財団を通じて株式をその発行会社に譲渡した場合の課税関係(当局見解)
Q1-97 地方公共団体に寄附するためのみの目的で固定資産である土地に区画形質の変更を加えてその全部を寄附した場合(当局見解)
Q1-98 土地を地方公共団体に寄附した場合、措法40 条利用時の寄附金控除は時価で良いか(当局見解)
Q1-99 人格のない社団に対する資産の寄附とみなし譲渡課税(当局見解)
Q1-100 自治会に土地を遺贈した場合の課税とみなし譲渡
Q1-101 一般社団法人に対する寄附とみなし譲渡
Q1-102 宗教法人に資産が遺贈された場合の課税
Q1-103 社会福祉法人に土地を寄附した場合の課税関係
Q1-104 みなし譲渡と社会福祉法人への土地の贈与に係る裁判例
Q1-105 公益信託の信託財産とするために上場株式を提供した場合(当局見解)
Q1-106 措置法40 条の趣旨とみなし譲渡の関係
Q1-107 相続財産である土地を公益法人に寄附した場合の譲渡所得と相続税の非課税
■消費税法編
Q2-1 消費税法における資産の譲渡(当局見解)
Q2-2 家事費、家事関連費の基本的な考え方
Q2-3 個人事業者の自家消費の取扱い
Q2-4 法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い
Q2-5 消費税法上のみなし譲渡の場合の時価(当局見解)
Q2-6 棚卸資産の自家消費(当局見解)
Q2-7 個人事業者の廃業に伴う事業用資産の取扱い(当局見解)
Q2-8 法人が役員の自宅建築費用を支出した場合の取扱い(当局見解)
Q2-9 個人経営の建築業者が自己の家屋を建築した場合(当局見解)
Q2-10 青色決算書(農業用)の事業消費金額欄に係る留意点
Q2-11 個人事業者による低額譲渡(当局見解)
Q2-12 法人が役員に退職金としてゴルフ会員権を支給した場合(当局見解)
Q2-13 課税売上高の範囲とみなし譲渡(当局見解)
Q2-14 個人事業者が事業を廃止した場合とみなし譲渡(当局見解)
Q2-15 みなし譲渡と個人事業者の家事消費に係る裁決
Q2-16 個人事業者の廃業に伴う事業用資産の譲渡の課否(当局見解)
Q2-17 事業用資産を自家用に転用した場合等の税額調整(当局見解)
Q2-18 個人事業者の廃業に伴う事業用資産の取扱い(会計検査院指摘事項)
Q2-19 個人事業者の廃業に伴う事業用資産の取扱い(当局見解)
Q2-20 個人事業者の廃業とみなし譲渡の関係
Q2-21 事業と家事の共通用として購入する自動車(当局見解)
Q2-22 みなし譲渡に係る事業区分の判定(当局見解)
【資料1】 今後の取引相場のない株式の評価のあり方(税務大学校論叢第96 号)
【資料2】 消費税法解説2 課否判定(みなし譲渡)編(東京国税局消費税課情報(消費税関係))
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●奥付情報
印刷・製本 藤原印刷株式会社
初版発行 2021年5月15日