Q&A 中小・零細企業のための 事業承継戦略と実践的活用スキーム

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Q&A 中小・零細企業のための 事業承継戦略と実践的活用スキーム
プロのテクニックを満載
税理士・会計士・弁護士等からの実際の質問に、現場のコンサルティングでの実践事例を踏まえ、リスク回避予防のための「ノウハウ」「アイデア」「知恵・創意工夫」を提案・詳細解説。
 
伊藤 俊一 著
A5判・344頁(H210×W148 510g)並製 
◆本体価格 3,200円+税
◆ISBN978-4-909090-34-8 C2034
◆2019年11月29日発売
◆Cover Design 有吉 一男
 
◎著者プロフィール
伊藤 俊一(いとう しゅんいち)
 1978年(昭和53年)愛知県生まれ。愛知県立旭丘高校卒業後、慶應義塾大学文学部入学。その後、身内の相続問題に直面し、一念奮起し税理士を志す。税理士試験5 科目試験合格。一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻修士課程修了現在、同博士課程(専攻:租税法、研究分野:エンプティ・ボーティング)在学中。慶應義塾大学「租税に関する訴訟の補佐人制度大学院特設講座」修了。
 都内コンサルティング会社にて某メガバンク本店案件に係る、事業再生、事業承継、資本政策、相続税等のあらゆる税分野を担当。特に、事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験、同業士業からの御相談件数は20,000件(令和元年7 月1 日現在、税理士・公認会計士・弁護士・司法書士等からの御相談業務)を超えており、豊富な経験と実績を有する。
 ・厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定(国家資格)試験委員
 ・認定経営革新等支援機関
【所属学会】
 ・税務会計研究学会所属
 ・信託法学会所属
【執筆実績】
第一法規「エンプティ・ボーティングにおける共益権の租税法上の評価」(税務会計研究〈第30号〉税務会計研究のダイナミズム―直面する課題と展望)」
ロギカ書房『Q&A 中小企業のための資本戦略と実践的活用スキーム』
ロギカ書房『Q&A 非上場株式の評価と戦略的活用スキーム』
ロギカ書房『みなし贈与のすべて』
税務弘報平成30年年4 月号「事業承継税制 平成30年度改正の使い勝手のホントのトコロ」
税経通信平成28年10月号「「種類株式」と「民事信託の活用」自社株承継スキームへの当てはめに係る留意点」
日本経済新聞朝刊平成25年12月25日21面「マネー&インベストメント」にインタビュー記事が掲載 他多数
東京税理士会等セミナー件数は年間約150本を超える。
 
◎内容
 本書の特徴を一言でいえば、実際に税理士等仕業様からいただいた現場の税務コンサルティング案件について、既存の租税法等法制度を踏まえて、ノウハウ・テクニカルな回答をした、税務コンサルティングにおけるヒント・アイデア集といえます。
 伊藤俊一税理士事務所は、主に中小企業・零細企業の事業承継、資本戦略、組織再編成、M&A、相続対策に係るご質問に特化した「コンサル質問会」のご回答、及び複数社の会計事務所、税理士法人様の上記に係る顧問業務を取り扱っています。
 本書のQ&A は上記の「実際に税理士等士業様」からご質問・ご相談を受けた事項を一部改変し、Ⅰ事業承継税制(特例)、Ⅱ事業承継スキーム、Ⅲその他事業承継に係る総則6 項対策、について分類し直し、筆者自身が更に回答を再編集したものです。
 中小企業・零細企業の事業承継、資本戦略、組織再編成に関して「基本的な課税関係」や「(法務等含めた)諸手続き」については網羅されている書籍は多々あります。当然、そういった網羅性を重視した「教科書」も必要であることは否定しておりません。
 しかし、教科書的な解説では中小企業・零細企業では、事業承継や資本戦略において、何の実効力も有しない対策も多いというのが実情です。そこで、本書では、それら教科書的な事項を踏まえた上での「ノウハウ」「アイディア」「知恵・創意工夫」といったものを現場のコンサルティングでの実践事例を踏まえながら執筆しました。
 なお、事業承継税制(特例)に関してはなるべく類書に記載がない盲点、エッセンスのみ抽出しています。筆者は税理士等同業者から申請時の適用要件チェックを依頼され膨大な件数をこなし、また、筆者自身もが関わってきたコンサルティング案件の現場の実践事例をふんだんに盛り込み、教科書的な説明はほぼ排除しました。
 執筆にあたっては、細心の注意を払ったつもりですが、初めての試みが多かった点もあり、至らぬ点が多いと思います。読者の皆様にはお気づきの点があれば、ぜひご指摘ください。
 
◎目次
Ⅰ 事業継承税制(特例)
Q I-1 持株会社スキームの基本と比較検討
Q I―2 贈与税の納税猶予と併用する贈与
Q I-3 事業承継税制(特例)と持株会社スキームとの合算形式の検証
Q I-4 事業承継税制(特例)に係る事前説明責任について
Q I-5 要件別の細かな留意点:議決権判定、法基通9―2―32の平仄、事業事態要件の留意点等
Q I-6 代表権返上と法基通9―2―32との関係、「資本金、資本準備金を減少した場合」の意義
Q I―7 事業承継税制(特例)における代表者就任要件
Q I―8 議決権数判定の留意点
Q I―9 遺言書作成で特に留意すべき事項
Q I―10 相続させる遺言と「遺贈する」の使い分け:特定財産承継遺言と改正民法に関する留意点
Q I―11 遺留分侵害額請求との関係
Q I―12 民法特例活用時の実務上の留意事項・現場での所感
Q I―13 業績悪化事由による差額免除制度の実践的留意点:税務調査との関係・相続時精算課税との関係等
Q I―14 事業承継税制(特例)を利用したM&A譲渡価格減額要請リクエストの方法・実効性
Q I―15 認定申請の実例・現場の所感
Q I―16 特例承継会社が外国会社株式等を有する場合:納税猶予適用時の株価調整計算
Q I―17 特例承継会社が外国会社株式等を有する場合:切替確認VS相続税納税猶予スタートの有利・不利判定
Q I―18 「 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例措置等に関する質疑応答事例について(情報)」
Ⅱ 事業承継スキーム
Q II―1 資産管理会社組成上の留意点
Q II―2 事業承継ストックオプションによる株主間利益移転は可能か?
Q II―3 所有と経営が分離している場合の持株会社スキームの留意点
Q II―4 会計事務所自身の事業承継戦略
Q II―5 自己株式、定款の見直し等の基本的な考え方
Q II―6 種類株式と属人株の使用場面
Q II―7 事業承継における定款変更及び種類株式導入の有効性、実効力
Q II―8 持分会社スキームの基本的留意点
Q II―9 持分会社スキームの各種留意点
Q II―10 持分会社スキームのその他留意事項
Q II―11 配当還元方式+完全無議決権株式スキーム
Q II―12 改正相続法遺留分との絡み
Q II―13 同族法人への遺贈の基本的な課税関係
Q II―14 亡夫が主宰法人に同社株式及び貸付金を遺贈した場合に、株式の譲渡所得の金額の計算上同社の借入金は負債に計上できないとされた事例
Q II―15 従前の持株会社スキーム・株式交換・株式移転スキーム
Q II―16 従前の持株会社スキーム・会社分割スキーム
Q II―17 従前の持株会社スキーム・新設法人資金調達スキーム
Q II―18 持株会社組成にあたっての組成時の留意点
Q II―19 持株会社への資金融通
Q II―20 持株会社に対する相続税対策上の規制
Q II―21 持株会社方式に係る持株会社を存続させる場合・させない場合について返済方法の相違
Q II―22 資本剰余金と利益剰余金の同時配当における実務上の留意点(東高令和元年5 月29日判決)
Q II―23 持株会社と本体会社を合併させる場合の税務上の留意点
Q II―24 質疑応答事例:持株会社と事業会社が合併する場合の事業関連性の判定
Q II―25 後継者の資金負担軽減策
Q II―26 消費税、準ずる割合の実務上の留意点
Q II―27 消費税、特定新規設立法人外しスキームの実務上の留意点
Q II―28 特定新規設立法人と外国法人
Q II―29 MEBO スキームを選択した場合の留意点
Q II―30 MBO、EBO スキームについて留意点
Q II―31 MBO、EBO スキームについて直接買取方式
Q II―32 MBO、EBO スキームについて自己株式取得方式
Q II―33 MBO、EBO スキームについて持株会社方式(新設法人資金調達型スキーム)
Q II―34 MBO、EBO スキームについてその他実務上の留意点
Q II―35 適格現物分配を用いた資本戦略スキームの各種留意点
Q II―36 適格現物分配に見られる組織再編成における事業単位の考え方
Q II―37 適格現物分配における重要な質疑応答事例
Q II―38 残余財産分配以前の子会社株式評価損計上の可否
Q II―39 M&A 等株式現金化が終了した後の現金化資産を後継者に移転するスキーム・信託受益権複層化スキーム
Q II―40 受益権分離型スキーム、信託受益権の質的分割における具体的な裁判例
Q II―41 従業員持株会・役員持株会の留意点
Q II―42 比準要素数0、1会社解消方法と違法配当の関係
Q II―43 国外転出時課税に係るタックスプランニング(税率差額利用)と今後の動向
Q II―44 個人事業主に外国子会社合算(CFC)税制が適用された事例:レンタルオフィス事件との比較
Q II―45 外国子会社合算(CFC)税制の当局調査のポイント
Q II―46 キャプティブを利用した国外への資産移転の問題点
Q II―47 エンプティ・ボーティングに係る諸論点:議決権分離スキームの是非
Q II―48 株式譲渡に係るファミリールールスキーム:民事信託+(特定)一般社団法人
Q II―49 令和元年6月28日改正通達後の事業承継に係る保険商品の動向
Ⅲ その他事業承継に係る総則6 項対策
Q III―1 総則6 項への目配せ
Q III―2 総則6 項発動の基本的な考え方
Q III―3 事業承継スキーム策定時にあたっての総則6 項への事前対応策
Q III―4 以前あった自社株対策スキームの指摘報道について
資料1 :一方の法人による完全支配関係のある法人間で行われる無対価合併の適格判定及び被合併法人が有する未処理欠損金額の引継制限について照会する場合の説明資料の記載例(記載例2 )
資料2 :東京地方裁判所平成28年(行ウ)第508号法人税更正処分等取消請求事件(棄却)(控訴)国側当事者・国(麹町税務署長)令和元年6 月27日判決【TPR 事件/特定資本関係5年超要件を満たす合併における法法132条の2 の適用】
資料3:「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(情報)
 
●奥付情報
印刷・製本 亜細亜印刷株式会社
初版発行 2019年12月15日