日本証券アナリスト協会認定 プライベートバンカー資格 受験対策予想問題集

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日本証券アナリスト協会認定 プライベートバンカー資格 受験対策予想問題集
 
岸田 康雄 著
A5判・266頁(H210×W148 410g)並製 
◆本体価格2,400円+税
◆ISBN978-4-909090-36-2 C2034
◆2020年1月24日発売
◆Cover Design Izumiya
 
◎著者プロフィール
岸田康雄(きしだやすお)
国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士、中小企業診断士、宅地建物取引士。一橋大学大学院商学研究科修了(経営学および会計学専攻)、日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事、平成28年度経済産業省「事業承継ガイドライン改訂委員会」委員。監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンスに従事。その後、金融機関に在籍し、オーナー系中小企業の相続対策から大企業のM&A まで数多くの事業承継と組織再編をアドバイスした。現在は、資産承継のコンサルティング業務に従事している。
【著書】
『富裕層のための相続税対策と資産運用』(中央経済社)、『事業承継支援完全マニュアル』(ロギカ書房)、『専門家のための事業承継入門』(共著・ロギカ書房)、『事業承継ガイドライン完全解説』(ロギカ書房)、『図解ですっきり!信託&一般社団法人を活用した相続対策ガイド』(中央経済社)、『金融機関・FP・PB・税理士のための事業承継・相続における生命保険活用ガイド』(清文社)、『相続生前対策パーフェクトガイド』(中央経済社)、『会社売却(M&A)の手続・評価・税務と申告実務』(清文社)、『M&A アドバイザリーガイド』(中央経済社)、『証券投資信託の開示実務』(中央経済社)など。
 
◎内容
これまで、金融機関のリテール営業担当者は、購入時手数料や信託報酬の高い金融商品を、回転売買させることに注力してきました。為替手数料を期待できる外国債券、元本を取り崩して高い分配金を支払っているかのように見せるREIT など、お客様の金融リテラシーの低さから、自社の利益を優先するような営業スタイルをとってきたはずです。
しかし、欧米のリテール金融マーケットを見ますと、手数料の低い商品が販売されており、長期にわたる資産形成のため、お客様に寄り添った営業スタイルがとられています。高齢化社会が進展するわが国でも、このような営業スタイルに変更する必要があるでしょう。
そこで求められるのが、リテール営業のプロフェッショナルとしての「プライベートバンカー」です。プライベートバンカーは、お客様の最適な資産管理と運用の方法をアドバイスします。加えて、相続・事業承継など世代間にわたる資産運用について、お客様のお悩み・問題点を探り出し、問題解決へと導くのです。このような営業スタイルは、高齢者や富裕層のお客様とって非常に価値のあるものとなるでしょう。
近年、プライベートバンカーの重要性が高まってきています。しかし、「とにかくこの商品をすべて売ってこい!」と言われ、手数料の高い商品の販売に邁進してきた従来型のリテール営業担当者が、プライベートバンカーとなることは容易ではありません。プライベートバンカーの提供するサービスは、含み益を即座に実現させる短期売買ではなく、長期の資産形成だからです。
日本証券アナリスト協会の定義によれば、「プライベートバンカーとは、富裕層(マス富裕層を含む。)のために、金融資産のみならず、事業再構築、事業承継を含めた生涯あるいは複数世代にわたる包括的・総合的な戦略をベースに投資政策書を立案し、その実行を助けるとともに長年にわたってモニタリングを続ける専門家のこと」とされています。お客様にアドバイスする分野は、金融商品の売買だけではありません。相続、事業承継、税務対策、不動産投資、非金融サービスなど多岐にわたります。リテール営業において取り扱うサービスの範囲が、従来とは比べ物にならないほど広くなるのです。
お客様の資産運用を提案する際には、ご家族が達成したい目標、それを達成するにあたっての問題点、課題と解決策を明確化しなければなりません。その検討内容としては、例えば、家族構成、個人財産の内訳、相続税、ゴールとなる生活水準や資産額があります。お客様ごとに異なる課題を明確化し、個別の解決策を提案するのです。お客様の課題と言っても、単に金融商品を販売し、資産を増やせば解決できるような簡単なものではありません。
こうした難しいサービスを提供するプライベートバンカーは、従来型のリテール営業以上にやりがいの大きな仕事となるはずです。しかし、プライベートバンカーが活躍する欧米と比べ、わが国は、本格的なプライベートバンカーを育成するために難しい環境にあります。
マクロ環境としては、相続税制度があり、金融商品と比べ不動産投資に係る税負担が著しく優遇されていること、富裕層のみならずマス富裕層の存在が非常に重要であることです。また、ミクロ環境としては、金融機関における短期(3年程度)の人事異動によって、お客様との長期にわたる人間関係を構築できないことです。
その一方で、わが国の急速な高齢化の進展は、お客様の資産運用と相続・事業承継対策に対するニーズを増大させています。プライベートバンカーに対する社会的な役割期待が高まってきているのが現実です。
本書は、日本証券アナリスト協会が提供しているプライベートバンカー資格(主として、プライマリー・プライベートバンカー)の受験生のために書かれた予想問題集です。
プライベートバンカー資格は、富裕層に多様なサービスを提供するプライベートバンカーを本格育成するための、日本で初めての教育プログラムです。金融機関の窓口担当者や顧客担当渉外員、リテール金融業務に従事するスタッフ・管理職、さらにその上級幹部クラスを含む幅広い層を対象に、プライベートバンキングに関する知識や考え方を、実務に即した視点から効率よく学ぶ機会を提供しています。
プライベートバンカー資格試験は、①リレーションシップ・マネジメント、②ウェルス・マネジメント、③不動産、④税金、⑤信託、エステートプランニング、⑥マス富裕層、⑦職業倫理で構成されています。学習範囲が広汎にわたり、各章に出てくるテーマが相互に絡み合っている点が特長です。
本書は、プライベートバンカー資格試験を合格するに足る重要なテーマを網羅しています。日本証券アナリスト協会の通信教育講座のテキストで一通り学習した後、本書の予想問題を一度だけ解いていただければ十分です。
 
◎目次
第1章 RM(リレーションシップ・マネジメント)
I 顧客を知る
II 自己(プライベートバンカー自身および組織)を知る
III お客様との効果的な関係を築く
第2章 WM(ウェルス・マネジメント)
I 基本概念
II 投資政策書
III 商品概要およびアセットアロケーション
IV ファミリーミッション・ステートメント(FMS)
V 運用目標
VI 事業承継と相続・贈与
第3章 不動産
I 不動産の3つの側面
II 不動産取引の留意点と不動産投資
III 不動産の関連税制
IV 不動産の法令制限
V 不動産の相続・贈与
第4章 税金
I 所得税
II 贈与税と相続税
III 法人税
IV 消費税
V タックスプランニング
VI 事業承継における自社株対策
VII 金融商品取引に係るタックスプランニング
第5章 信託とエステートプランニング
I 信託の活用
II 一般社団法人と一般財団法人
III 成年後見制度
IV エステートプランニング
V 富裕層へのリーガルサービス
第6章 マス富裕層
I マス富裕層の職業特性と資産およびキャッシュ・フロー
II マス富裕層のニーズへのソリューション提供
III マス富裕層へのマーケティングアプローチ
第7章 職業倫理
第8章 参考資料
I 税率表
II 相続税額早見表
 
●奥付情報
印刷・製本 亜細亜印刷株式会社
初版発行 2020年2月10日