[新版] 専門家のための事業承継入門―事例で学ぶ!事業承継フレームワーク

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[新版] 専門家のための事業承継入門―事例で学ぶ!事業承継フレームワーク

お客様の抱える問題点を発見するのがプロの役目!!
問題発見のフレームワークを「事業性評価」「企業経営者」「事業承継手続き」の3つに集約、旧版をより実践的に改変!!

事業承継支援コンサルティング研究会 編
A5判・348頁(H210×W148×18 510g)並製 
◆定価:本体価格 3,000円+税
◆ISBN978-4-909090-89-8 C2034
◆2023年2月1日発売
◆デザイン:有吉一男

【著者】
◎奥野 美代子(おくの みよこ)
株式会社アイリスプランナー代表取締役/魅力発信ブランディングコーチ、中小企業診断士、事業承継アドバイザー、CFP®、一級ファイナンシャルプランニング技能士。北海道大学文学部(文学部英語英米文学専攻)卒業、グロービス経営大学院(経営学修士)修了
Bang & Olufsen a/s(デンマーク)の日本法人設立時より27年、ブランド&リテールマーケティングを統括。PR やCRM(顧客管理)、店舗開発、スタッフ教育に従事。2010年に中小企業診断士として独立。医療・美容系のサービス業の戦略策定、マーケティング、経営改善、事業承継などの経営コンサルティングを行う。あなたの魅力を理想のお客様に発信し、ぜひと選ばれるブランディングをコーチングで支援している。

◎岸田 康雄(きしだ やすお)
公認会計士、税理士、中小企業診断士、宅地建物取引士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。一橋大学大学院修了
中央青山監査法人(PwC)にて事業会社、都市銀行、投資信託等の会計監査および財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、メリルリンチ日本証券、SMBC 日興証券、みずほ証券、税理士法人、三菱UFJ 銀行に在籍し、個人の相続対策から大企業のM&A まで幅広い資産承継と事業承継をアドバイスした。現在、相続税申告を中心とする税理士業務、中小企業に対する事業承継コンサルティング業務を行っている。

◎黒須 靖史(くろす やすふみ)
株式会社ステージアップ代表取締役/中小企業診断士、相続診断士(一社相続診断協会会員)。和光大学経済学部経済学科卒業
システムインテグレーターにてIT 導入と業務改善支援に従事。1996年、IT 系コンサルタントとして独立。様々な企業のIT 化支援に携わる中で、経営全般への関与が大きくなり、中小企業診断士を取得。以来、主に中小企業の様々な経営課題解決の支援を行う。現場に密着したコンサルタントとして、事業だけにとどまらず経営者の個人的な相談にも広く対応し喜ばれている。「企業の発展・存続を支援する」という経営コンサルタントの基本的な命題の中で、コーディネーターとして事業承継の全局面をサポートする機会が多くなっている。

◎皿谷 将(さらや しょう)
弁護士(東京弁護士会所属)/センチュリー法律事務所所属。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)修了
平成25年(2013年)に弁護士登録以来、主に事業承継、M&A、事業再生、成長支援、廃業支援をはじめとする中小企業法務等の案件に従事。令和元年(2019年)9月から令和4年(2022年)3月にかけて、経済産業省中小企業庁事業環境部財務課にて、課長補佐(経営承継)として、主に中小企業のための事業承継・M&A 支援策の立案等に従事。特にコロナ禍において中小企業支援の必要性が高まるなか、「事業承継・引継ぎ支援センター」や経営承継円滑化法に基づく「所在不明株主に関する会社法の特例」の創設に関連する法令改正等に関与。

◎高橋 秀仁(たかはし しゅうじん)
株式会社高橋代表取締役/中小企業診断士、一般社団法人次世代経営協会理事長、日本事業承継コーチング協会理事長
事業承継は特別な準備をしなければ、会社は多大な損害を受ける。自らも後継者として事業承継時に社内外で大きな問題を抱え、親子間軋轢や従業員の反発、事業戦略の再構築など、後継者特有の苦い経験から、後継者共通の悩みを知り、事業承継独特の「ヒト」と「カネ」問題を独自手法で解決する。事業承継の本質である後継者のリーダーシップとマネジメントという「社長力」を育成し、業種業界規模にかかわらず多くの後継社長を成功へ導く。独自の事業「勝」継理論を完成させ、後継者は良い経営者になる「DNA」を必ず持っているという信念で、全国で多くの後継者をセミナーとコンサルティングで育成している。

◎和田耕太郎(わだ こうたろう)
マラトンキャピタルパートナーズ株式会社取締役/共同パートナー、中小企業診断士。早稲田大学商学部卒業
野村證券にて資産運用業務や事業承継支援、米国ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門であるGECapital にて国内中堅企業向けの資金調達業務に従事した後に、国内独立系ファンドである日本創生投資に参画。投資フロント主要メンバーとして、主に事業承継・再生に関するバイアウト投資に従事。その後、国内中小企業の事業承継に関するバイアウト投資を行うPE ファンド、マラトンキャピタルパートナーズ株式会社を創業し、取締役/共同パートナーとしてPEファンドの経営及び投資案件のソーシング、エグゼキューション、投資後のハンズオン支援、Exit 等、バイアウト投資の一連の業務に従事している。

【内容】
○事業承継支援は「問題の発見」がすべて
事業承継支援のコンサルティング業務は、事業性評価から始まり、経営者の人生相談から、承継手続きに係る法務・税務および財務の問題まで多岐にわたります。
私たち支援者に求められるのは、まず、事業承継を迎えるお客様が抱えるこの多岐にわたる問題を、正確かつ網羅的に把握することです。問題を漏れなく発見し、重要な問題から先に手を付けることが、最大の支援策なのです。重要な問題を漏れなく発見することができれば、事業承継は、ほとんど実現できたようなものだと言っても過言ではありません。
そこで、本書は、事業承継の問題がどこに隠されているか、その所在を見つけやすくするため、問題の有無を確認すべき領域を「フレームワーク」として整理しました。
事業承継の問題は、大別しますと、事業性評価の問題、経営者の生き方の問題、承継手続きの問題の3つになります。支援者は、これら3つの分野において発生する可能性の高い典型的な問題を、事前に知っておけばよいのです。見落とされている分野、把握できずに漏れている問題があると、事業承継の失敗をもたらします。支援者の得意・不得意にかかわらず、この3つの分野すべてをチェックし、網羅的に問題点を指摘する必要があるのです。
今回の改訂版では、旧版の事業承継フレームワークを大幅に改訂し、わかりやすい簡易なものとしました。従前のフレームワークには、3つの分野の細目として、知的資産、事業戦略、キャリア選択、マネジメント、リーダーシップ、株式承継、債務引継ぎが設けられ、7項目の分類となっていました。しかし、項目が細かすぎることに対する不満の声、例えば、ここまで細かく検討する事例がほとんどない、7項目の意味がわかりづらい、実務の現場で使いづらいという声が増えてきたため、細目を廃止し、3つの側面のみフレームワークに表示することとしました。これによって、わかりやすく使いやすいフレームワークになるものと思われます
本書の「フレームワーク」を活用され、支援者の皆さまが、より多くの事業承継を支援されるようになることを祈ります。

【目次】
新版はじめに事業承継支援は「問題の発見」がすべて
■第1章 解決すべき問題
Ⅰ 事業承継の支援が求められる3つの側面
Ⅱ 事業承継フレームワーク
Ⅲ 親族内承継に係る問題
Ⅳ 従業員承継に係る問題
Ⅴ 第三者承継に係る問題
■第2章 後継者の決意と覚悟
Ⅰ 受け身の後継者
Ⅱ 経営者のキャリア
Ⅲ 後継者経営の特性
Ⅳ 後継者の成長がもたらす事業成長
■第3章 事業の存続と成長
Ⅰ 経営理念と経営計画
Ⅱ 知的資産の承継
Ⅲ 人的資源の承継
Ⅳ 経営環境の変化と事業戦略の立案
Ⅴ 事業承継計画の策定
Ⅵ 再生すべき事業の承継
■第4章 親族内承継
Ⅰ 株式の承継と相続
Ⅱ 経営承継円滑化法
Ⅲ 生命保険の活用
■第5章 親族外承継
Ⅰ 従業員承継
Ⅱ 第三者承継(M&A)
Ⅲ 企業価値・事業価値の評価
Ⅳ 財務デュー・ディリジェンス
Ⅴ 第三者への労働契約の承継
Ⅵ 承継後のPMI
■第6章 支援者の役割
Ⅰ 税理士の役割
Ⅱ 弁護士の役割
Ⅲ 後継者支援の専門家の役割
Ⅳ 中小企業診断士の役割
Ⅴ 投資ファンドの役割
Ⅵ どのような専門家と組むべきか

◎奥付情報
印刷・製本 亜細亜印刷株式会社
初版発行 2023年2月10日