大使館の庭 THOUGHTS IN THE EMBASSY GARDEN

|本の詳細

大使館の庭 THOUGHTS IN THE EMBASSY GARDEN

半世紀に及ぶ外交官として培われた慧眼<br>
人、歴史、思想、文化、社会、紛争、・・・<br>
大使館の庭から見える世界の中の日本<br>
混迷する世界、そして日本は<br>
どのように映っているのだろうか<br><br
恩田 宗 著
四六判・224頁(H188×W128×12 300g)並製 
◆定価:本体価格 1,800円+税
◆ISBN978-4-909090-73-7 C0095
◆2022年4月8日発売
◆有吉一男

◎著者プロフィール
恩田 宗(おんだ たかし)
昭和8年生れ 山梨県
東京大学法学部卒 
外務省入省
米国、ベトナム、英国、フランス、国連代表部等に勤務、中近東アフリカ局長、在サウジアラビア大使、在タイ国大使を歴任、国際機関アセアン・センター事務総長、総合研究フォーラム常任理事、他   

◎内容
大使館に勤務していると、職業柄自分が日本人であるということを強く意識します。在勤したことのある国が多くなり外国暮らしに慣れてきても、そうした意識はなくなりません。国際統計などを見ていても先ず日本の順位はどの辺かが気になり、悪疫えきの流行とか資源価格暴騰などのニュースを聞くとすぐ日本はどうかと心配します。常に日本を世界の中に置いて見る癖がつき、日本人の能力・性向や日本の社会・歴史・言葉などを他国のそれと比べて考えるようになります。国際機関に勤務してもそうしたことが続き、それが昂じると問題を広く人類の歴史とか人間のあり方などにも結びつけて考え、関係する本を読んだり調べたりするようになります。
私はそうしたことが習慣となり時間に余裕もありましたので、考えた結果を随筆にして外務省の関係職員団体の会報に毎月投稿するようになりました。投稿を始めてもう何年にもなりますが、最近、熱心なお誘いを受け、その内の百編をこのように纏めて本にすることにしました。
私が考え書き続けてきたことは、同じ時代に生きる日本のどなたもが関心を持たれる問題だと思います。本当は、お会いして話し合ったり議論したりしたいのですが、それはかなわぬことです。せめてこの本を手にされて、こんな事をこんな風に考えているのかと楽しく読んでいただき、足らないその先を更に考える喜びを味わっていただきたいと願っています
一編の随筆が本の開いた二頁に納まり独立した内容になっています。目次を見てご関心のある主題を選んで読んでいただくことも、適当な所を開いて拾い読みしていただくこともできます。

◎目次
■一 人間
友人の数
皮膚感覚
自己認識
自己評価
想い出
想像力の限界
記憶の頼りなさ
利己心と利他心
梶原景時
心と体
安珍と清姫
聴覚型人間と視覚型人間
ウォーキングと伊能忠敬
隠者と隠棲

高齢世代

ジュリエット
時間とその長さ
腸の働きと選択
幸福度──ブータン人と日本人
大掃除と記念の品
寅さんと日本人
人や動物の集団行動
老いということ
すぐやる人とグズな人
■二 社会文化
引越し
慰問袋と慰問の手紙
江戸時代
日本の絵画と音楽
オリンピックとナショナリズ
集団の中の少数者
韓国
各国首都の名所
文化財の破壊盗掘
日本男子
戦争と武力紛争
絵画の贋
本と印刷技術
日付と日にち意識
日本の宗教
未来予測
男女平等と男と女
曖昧さと日本人
宗教についての教育
小学唱歌と国民教育
女性の敬称── MissとMs.とMrs.
借金
梅と桜
日記
ギネス世界記録
■三 歴史
歴史の教訓
ハリスとペリー
ベトナム戦争
日本の近代化と西洋
小野妹子と新見正興
文明の進化と衝突
泰面(タイ・ビルマ)鉄道
鑑真和上と遣唐使
戦後という言い方
十七条の憲法の解釈
ゴジラ
拓殖大学国際教育会館と日中関係
歴史教育とアイデンティティー
トロイ戦争とギリシャ人
アメリカ・インディアン
日本の外交記
時間意識
日本橋と侍
英国紳士

地図と地球儀
日本と日本人
米空軍による日本爆撃
横浜開港と英仏駐屯軍
文化財の略奪
「昭和」と平成・令和──日本人の身長
■四 言葉
オノマトペ(擬態語・擬音語)
カタカナ語
外国語のカナ書き表記
日本語と漢語・英語
漢字と日本語
日本語と中国語の単語
青年よ大志を抱け
幕末日本の英語力
公平と不公
日本語の文法
名言・格言の誤解
通信料と電報
To beとピジン日本語の「あります」
仮名遣い
動物と人間
解体新書と国際共通語
振り仮名
通詞
外国語の習得とアイデンティティー
宮本武蔵
日本語の書き言葉
漢字
動詞の中態語

◎奥付情報
印刷・製本 モリモト印刷株式会社
初版発行 2022年4月30日