病院経営戦略~収益確保はこうして実践する~

た税務のめの 民法講義広告

|本の詳細

病院経営戦略~収益確保はこうして実践する~
井上 貴裕 著
A5判・312頁(H257×W182 450g)並製 
◆本体価格 3,600円+税
◆ISBN978-4-909090-42-3 C2047
◆2020年7月4日発売
◆Cover Design 有吉 一男
 
◎著者プロフィール
井上 貴裕(いのうえ たかひろ)
千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院経営管理学研究センター長・特任教授・ちば医経塾塾長
東京医科歯科大学大学院にて医学博士及び医療政策学修士、上智大学大学院経済学研究及び明治大学大学院経営学研究科にて経営学修士を修得。
東京医科歯科大学医学部附属病院 病院長補佐・特任准教授を経て現職。
東邦大学医学部医学科 客員教授
武蔵野赤十字病院、大垣市民病院等、各地の中核病院の経営アドバイザーを務めている。
ちば医経塾とは―—
医療需要が増大する一方で病院経営を取り巻く環境は厳しく、効率的かつ戦略的な病院経営が求められる中、医療の特殊性を理解した経営マインドやマネジメントスキルを持つ人材の育成が重要となっています。
「ちば医経塾―病院経営スペシャリスト養成プログラム―」では、実務能力を磨くカリキュラムを通じて、より良い医療を提供し続ける病院経営システムの構築方法を学べます。第一線で活躍する講師陣が実践的な医療人材を養成しています。
著書:「成功する病院経営~戦略とマネジメント」(ロギカ書房 2017年)、「成功する病院経営~診療報酬の実践対応」(ロギカ書房 2018年)、「病院経営マネジメント」(ロギカ書房 2019年)、「戦略的病院経営マネジメント 財務分析・管理会計 (変革へのケース・スタディ)」(清文社 2016年)、これからの医療政策の論点整理と戦略的病院経営の実践 戦略的思考力を磨き、収益力を上げる経営処方箋49 (医療経営士 実践テキストシリーズ6)(日本医療企画 2017年)、他。
◎内容
新型コロナウイルスが世界を震撼させている。我が国でも2020 年4 月7 日に首都圏を中心に7 都府県に非常事態宣言が発令され、さらに4 月16 日には対象が全国に拡大された。当初は5 月6 日までであったが、さらに5 月31 日までに延長され、終わりの見えないウイルスとの戦いに人類が挑んでいる。
このような環境下では医療が極めて重要であり、メディアでも医療職に対する感謝の言葉が相次いでいる。とても皮肉なことであるが、命をかけて闘う献身的で優秀な医療人の存在が社会にとってどれほど大切な存在であるかを知らしめる機会になったのも事実である。今は経営を語るときではなく、医療機関が一致団結し新型コロナウイルスの収束に向けた取組みが求められている。
ただ、このような状況でも2020 年度診療報酬改定は行われ、各医療機関は対応を迫られている。働き方改革と機能分化と連携の推進等が重点課題とされ、そこからは医療政策が目指していくメッセージが数多く発信された。また、やがてウイルスとの闘いに幕を閉じれば地域医療構想の議論が再開されるとともに、深刻化する病院業績をどう回復させていくかが課題となるだろう。
そもそも2020 年度診療報酬改定前から病院業績は非常に厳しいものであった。消費税の補てん不足等もあり急性期、特に高度急性期病院は散々である。新型コロナウイルスの患者受入れもこれらの病院を中心に行われていることから、今後、深刻な財務状況に悩む病院経営者は多いはずだ。また、再編統合の対象とされた424 病院の多くを占める自治体病院の業績が極めて悪い。補助金なしではもはや存続することが難しい状況である。もちろん政策医療を提供しているのだから許容される範囲もあるだろう。そして、新型コロナウイルス患者の受入れを主導した自治体病院も多く、その存在価値が改めて評価されることになるかもしれない。一方、この難局を支えるべき存在が様々な理由で患者受入れを拒んでいるケースもあり、何のための自治体病院なのかと考えさせられる残念な事例も存在する。経済が冷え込めば、多額の繰入れが見直されることは間違いがなく、存在価値がない病院は滅びゆく運営にあるだろう。ただ、業績悪化に苦しむのは自治体病院だけではなく、あらゆる医療機関が苦しんでいる。
本書では、良質な医療提供を持続するために、医療政策の方向性を踏まえた病院経営と2020 年度診療報酬改定が示唆したことは何だったのかを整理した。さらに、医療界を代表する著名な先生方との対談から、今後の医療政策及び病院経営の方向性を考えてもらいたいと考えている。
◎目次
はじめに
Ⅰ 医療政策の方向性を踏まえた戦略的病院経営
Ⅰ-1 地域医療構想を踏まえた病院経営
Ⅰ-2 医療経済実態調査からみえる財務状況
Ⅰ-3 病棟機能別にみた財務状況
Ⅰ-4 画像診断管理加算について病院経営の立場から
Ⅰ-5 「土曜日外来の廃止」は検討に値する
Ⅰ-6 再編統合は424 病院だけの問題ではない
Ⅰ-7 財務状況から見た「424 病院」、地域での役割自ら見極める必要も
Ⅰ-8 中東遠総合医療センター 再編統合の事例
Ⅰ-9 中途半端な回復期病棟に未来はない
Ⅰ-10「急性期病院らしい」経営は入院医療に特化すること
Ⅰ-11 高度急性期を「消費税補てんの敗者」にしない対応を
Ⅰ-12 材料費比率の高さは急性期医療の宿
Ⅰ-13 10 連休中、患者が集まらなかった病院に知ってほしいこと
Ⅰ-14 飯山赤十字病院の機能評価係数II がアップした理由
Ⅰ-15 「出来高払いの急性期病院」が模索すべき道
Ⅰ-16 ICU 上位加算の地域差をどう考えるか
Ⅰ-17 新型コロナ、運営・経営の難局をどう乗り越えるか
Ⅰ-18 ポストコロナにこの教訓をどう生かし、何を学ぶべきか
Ⅰ-19 医療崩壊の難局に医療の質をどう担保するの
Ⅰ-20 新型コロナ対策はハードよりもソフトの体制整備を急ぐ
Ⅱ 2020 年度診療報酬改定に関する議論
Ⅱ-1 救急車搬送2,000 台をどう考えるか
Ⅱ-2 人手不足の時代、看護必要度B 項目を廃止しては
Ⅱ-3 「看護必要度II の義務化」で留意すべきこと
Ⅱ-4 地ケア病棟がDPC 点数を引き継ぐ場合の5 つの選択肢
Ⅱ-5 地ケア病棟のDPC 点数引き継ぎは、なぜ入院期間II までなのか
Ⅱ-6 2020 年度改定から見る地域包括ケア病棟に求められる役割
Ⅱ-7 DPC 算定病床の割合が低いケアミックス病院に期待されること
Ⅱ-8 地域包括ケア病棟での「適切な手術」と
Ⅱ-9 2019 年度、機能評価係数II の傾向を読む
Ⅱ-10 救命救急入院料1・3 の入室を適切に評価するために
Ⅱ-11 SOFA スコアから見るICU の実態と入院料との整合性
Ⅱ-12 DPC 特定病院群に昇格した病院の取組みと課題
Ⅱ-13 「ポリファーマシー加算」の算定が進まない3 つの理由
Ⅱ-14 働き手確保のためにも療養・就労両立支援指導料の充実を
Ⅱ-15 中小病院の歩むべき道
Ⅲ 対 談
Ⅲ-1 自院の軸をしっかり持ち、ぶれずに
堺 常雄( 日本病院会会長・聖隷浜松病院総長/現、日本病院共済会代表取締役・日本病院会名誉会長)
Ⅲ-2 ICU の回転率を高めるための環境整備を
武居哲洋( 横浜市立みなと赤十字病院院長補佐兼集中治療部長/現在、副病長兼救命救急センター長)
Ⅲ-3 渋谷の新病院は、攻めのダウンサイジン
長谷弘記(東邦大学医療センター大橋病院長)
Ⅲ-4 IT・遠隔化で入院が必要な患者は絞られてくる
武久洋三(日本慢性期医療協会会長・平成医療福祉グループ代表)
Ⅲ-5 地域包括ケア病棟の「充実した在宅復帰制度」への評価を
仲井培雄(地域包括ケア病棟協会会長) 
Ⅲ-6 「急性期」と「回復期」をどう分けるか
尾形裕也(厚生労働省「地域医療構想に関するワーキンググループ」座長)
Ⅲ-7 2020 年度診療報酬改定で、病院の「両極化」が進む
山本修一( 国立大学病院長会議会長・千葉大学医学部附属病院長/現、千葉大学副学長)
Ⅲ-8 さまざまな「線引き」が始まる2020 年度改定
相澤孝夫(日本病院会会長・社会医療法人財団慈泉会理事長)
Ⅲ-9 「ここはどんな病院なのか」明確にする時期
猪口雄二(日本病院協会会長)
 
●奥付情報
印刷・製本 藤原印刷株式会社
初版発行 2020年7月20日