|本の詳細
[テーマ別実務分析]最新 法人税の重要判例
税理士・弁護士等 実務家必携‼
法人税の各分野の事実関係及び判決理由の重要部分を収録するとともに、調査官解説・判例評釈・基本書等も踏まえ、判例詳解のみならず詳細な分析・解説を行っています。<br>
稲見 誠一 監修
梅本 淳久 編著
A5判・640頁(H210×W148×32 940g)並製
◆定価:本体価格 6,400円+税
◆ISBN978-4-911064-02-3 C2034
◆2024年1月20日発売
◆デザイン:有吉一男
【監修者】
稲見 誠一(いなみ せいいち)
デロイト トーマツ税理士法人 テクニカルセンター シニアアドバイザー
税理士
デロイト トーマツ税理士法人に入社後、パートナーとして、事業承継部門長、テクニカルセンター長、審理室長、東京事務所長、副理事長を歴任し、2016年12月1日よりテクニカルセンターのシニアアドバイザーとして、税務訴訟研究を通じて教育研修業務に従事している。
主な著書に、『新版詳解グループ通算制度Q&A』(清文社・共著)、『Q&A 事業承継をめぐる非上場株式の評価と相続対策』(清文社・共著)、『制度別逐条解説企業組織再編の税務』(清文社・共著)、『詳解連結納税Q&A』(清文社・共著)、『組織再編における株主課税の実務Q&A』(中央経済社・共著)、『「純資産の部」の会計と税務』(清文社・共著)、『私的整理ガイドラインの実務』(金融財政事情研究会・共著)、『ケース別にわかる企業再生の税務』(中央経済社・共著)、『実務詳解組織再編・資本等取引の税務Q&A』(中央経済社・共著)、『グループ法人税制・連結納税制度における組織再編成の税務詳解』(清文社・共著)がある。
【編著者紹介】
梅本 淳久(うめもと あつひさ)
デロイト トーマツ税理士法人 テクニカルセンター シニアマネジャー
元国税審判官・公認会計士・米国公認会計士。司法書士試験合格
デロイト トーマツ税理士法人に入社後、税務申告業務、国際税務コンサルティング業務を経験し、現在は、法令解釈や判例分析に基づく相談業務や教育研修業務に従事している。民間専門家として、国税審判官(特定任期付職員)に登用され、審査請求事件の調査・審理を行った経験を有する。
主な著書に『条文・事例・図表で読み解く 繰越欠損金の税務』、『判例に学ぶ税法条文の“実践的” 読み方』、『子会社株式簿価減額特例-国際的な配当をめぐる税務』、『新版【法律・政省令並記】逐条解説 外国子会社合算税制』、『【法律・政省令並記】逐条解説 外国税額控除~グループ通算制度・外国子会社合算税制対応~』、『【法律・政省令並記 逐条解説 過大支払利子税制』、『詳解有利発行課税』、『[処分取消事例]にみる重加算税の法令解釈と事実認定』、『事例と条文で読み解く税務のための民法講義』(以上、ロギカ書房)、『税理士のための「事実認定」の実務』、『詳解役員給与税務ハンドブック』(以上、中央経済社)、『新版詳解グループ通算制度Q&A』(清文社・共著)、『否認事例・裁判例からみた消費税仕入税額控除の実務』(中央経済社・共著)、『第10版Q&A 事業承継をめぐる非上場株式の評価と相続対策』(清文社・共著)、『国際課税・係争のリスク管理と解決策』(中央経済社・共著)、『詳解タックス・ヘイブン対策税制』(清文社・共著)、税務専門誌への寄稿記事に「通達・Q&A の要点を一挙に押さえる令和元年度外国子会社合算税制の改正詳解」税務弘報67巻10号(中央経済社)、「外国法を準拠法とする契約に係る税務上の取扱い[1]~[3]」月刊国際税務38巻12号~39巻2号(国際税務研究会)などがある。
京都大学理学部卒。
◎内容
本書は、法人税の重要判例(国際課税については、所得税のものを含む)につ き、事実関係及び判決理由の重要部分を収録するとともに、これまでに公表された調査官解説や判例評釈等も踏まえ、詳細な分析・検討を行うものです。
租税法の分野では、『租税判例百選』や『租税法判例六法』など、定評のある判例集がありますが、本書は、①法人税の分野に特化して、②比較的新しく 重要な判例(55件)を選定し、各判例につき、③ポイントを絞って事実関係と 判決理由を収録した上で、④理論と実務の観点から、詳細な分析・検討を行う とともに、⑤関連する判例(約100件)も取り上げる、という方針としました。
判例を「知る」ことは、税務争訟のみならず、そこに至るまでの各段階(契 約、申告・納税、税務調査)における問題の解決にも役立つものと思われます。 法人税の実務に携わる皆様にとって、本書が少しでもお役に立てば幸いです。
なお、本書の意見にわたる部分は筆者の私見であり、所属する組織の公式見 解ではないことを申し添えます。
【主要目次】
◇第1 章 総 則
01 ネズミ講事件(最判平16・7 ・13集民214号751頁)
02 従業員リベート実質所得者課税事件(仙台地判平24・2 ・29税資262号順号11897)
◇第2 章 収益の計上時期
03 電力会社過収電気料金返戻事件(最判平4 ・10・29集民166号525頁)
04 詐取損益両建計上事件(東京高判平21・2 ・18税資259号順号11144)
◇第3 章 債務確定基準
05 売上原価見積計上事件(最判平16・10・29刑集58巻7 号697頁)
◇第4 章 公正処理基準
06 輸出取引収益実現事件(最判平5 ・11・25民集47巻9 号5278頁)
07 脱税協力手数料事件(最決平6 ・9 ・16刑集48巻6 号357頁)
08 不動産流動化実務指針事件(東京高判平25・7 ・19訟月60巻5 号1089頁)
09 債権流動化「金融商品会計実務指針」事件(東京高判平26・8 ・29税資264号順号12523)
10 過年度外注費計上漏れ前期損益修正事件(東京地判平27・9 ・25税資265号順号12725)
11 過年度確定決算遡及修正事件(最判令2 ・7 ・2 民集74巻4 号1030頁)
◇第5 章 有利発行課税
12 新株高額引受事件(福井地判平13・1 ・17訟月48巻6 号1560頁)
13 第三者割当増資「取引」事件(最判平18・1 ・24集民219号285頁)
14 有利発行新株受贈益事件(東京高判平28・3 ・24税資266号順号12832)
◇第6 章 受取配当等
15 ToSTNeT- 3 取引みなし配当事件(不服審判所裁決平24・5 ・25(TAINS/F 0 – 2 -494))
16 混合配当委任命令事件(最判令3 ・3 ・11民集75巻3 号418頁)
◇第7 章 減価償却資産の償却等
17 映画フィルムリース事件(最判平18・1 ・24民集60巻1 号252頁)
18 「エントランス回線利用権」少額減価償却資産事件(最判平20・9 ・16民集62巻8 号2089頁)
19 事業供用済み機械装置償却費否認事件(東京地判平30・3 ・6 訟月65巻2 号171頁)
◇第8 章 役員の給与等
20 事前確定届出給与「複数回」支給事件(東京地判平24・10・9 訟月59巻12号3182頁)
21 退職給与支給年度損金経理事件(東京地判平27・2 ・26税資265号順号12613)
22 分掌変更役員「退職」慰労金事件(東京地判平29・1 ・12税資267号順号12952)
23 過大役員給与事件Ⅰ(名古屋地判平6 ・6 ・15訟月41巻9 号2460頁)
24 過大役員給与事件Ⅱ(東京地判平22・9 ・10税資260号順号11507)
25 過大役員退職給与事件Ⅰ(東京高判平25・7 ・18税資263号順号12261)
26 過大役員退職給与事件Ⅱ(東京高判平30・4 ・25訟月65巻2 号133頁)
◇第9 章 寄附金
27 国外関連者資金提供・債権放棄事件(東京地判平21・7 ・29判時2055号47頁)
28 広告宣伝費「寄附金」課税事件(東京地判平24・1 ・31訟月58巻8 号2970頁)
29 売上値引「寄附金」課税事件(東京地判平26・1 ・24判時2247号7 頁)
◇第10章 交際費等
30 製薬会社「医師英文論文」添削費事件(東京高判平15・9 ・9 高民56巻3 号1 頁)
31 遊園地優待入場者交際費事件(東京高判平22・3 ・24訟月58巻2 号346頁)
32 従業員日帰り慰安旅行事件(福岡地判平29・4 ・25税資267号順号13015)
◇第11章 貸倒損失
33 住専貸倒損失事件(最判平16・12・24民集58巻9 号2637頁)
34 個別和解型特別清算貸倒損失事件(東京地判平29・1 ・19判タ1465号151頁)
◇第12章 デリバティブ取引のみなし決済等
35 デリバティブ取引有効性判定事件(東京地判平24・12・7 訟月59巻11号2960頁)
◇第13章 組織再編税制
36 株式移転完全親法人株式「取得価額」事件(東京地判平23・10・11訟月59巻4 号1095頁)
37 ケイマンLPS 持分「適格」現物出資事件(東京地判令2 ・3 ・11判タ1482号154頁)
◇第14章 行為計算否認規定
38 自己株式譲渡損・連結納税スキーム事件(東京高判平27・3 ・25訟月61巻11号1995頁)
39 未処理欠損金額引継規定濫用事件Ⅰ(最判平28・2 ・29民集70巻2 号242頁)
40 未処理欠損金額引継規定濫用事件Ⅱ(東京高判令元・12・11訟月66巻5 号593頁)
41 デット・プッシュ・ダウン借入利息損金算入否認事件(最判令4 ・4 ・21民集76巻4 号480頁)
◇第15章 確定申告
42 未承認決算書類「確定決算主義」事件(福岡高判平19・6 ・19訟月53巻9 号2728頁)
◇第16章 その他
43 合併無効判決「更正の請求」事件(大阪高判平14・12・26訟月50巻4 号1387頁)
44 スイス法人介在取引「仮装」認定事件(東京地判平20・2 ・6 判時2006号65頁)
45 ソフトウェア著作権譲受対価「寄附金」課税事件(知財高判平22・5 ・25税資260号順号11443)
◇第17章 国際課税
46 日蘭租税条約「その他所得条項」事件(東京高判平19・6 ・28判時1985号23頁)
47 ファイナイト再保険事件(東京高判平22・5 ・27訟月58巻5 号2194頁)
48 米国LPS「法人」該当性事件(最判平27・7 ・17民集69巻5 号1253頁)
49 種類株式発行会社「外国子会社」該当性事件(大阪地判令3 ・9 ・28訟月69巻1 号31頁)
50 レンタルオフィス事件(東京高判平25・5 ・29税資263号順号12220)
51 外国関係会社損益計算書事後修正事件(東京地判平29・1 ・31訟月64巻2 号168頁)
52 地域統括業務適用除外事件(最判平29・10・24民集71巻8 号1522頁)
53 使用料源泉地事件(最判平16・6 ・24集民214号417頁)
54 インターネット販売倉庫事件(東京高判平28・1 ・28訟月63巻4 号1211頁)
55 租税条約配当条項「保有期間要件」事件(東京地判令4 ・2 ・17(TAINS/Z888-2418))
◇裁判例・裁決事例索引
◎奥付情報
印刷・製本 藤原印刷株式会社
初版発行 2024年1月31日