税法判例 読解ハンドブック

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税法判例 読解ハンドブック

裁判例・判決例を読む技術―
税法判例等を
効率的・効果的に読み解くための着眼点を、
実際の判決文・裁決書を用いて、
詳細に解説しています。

著 者:梅本 淳久
A5判・264頁(H210×W148×D14 410g)並製 
◆定価:3,080円(税込)
◆ISBN978-4-911064-40-5 2032
◆2026年3月17日発売
◆デザイン:Izumiya

【編著者プロフィール】
◎梅本 淳久(うめもと あつひさ)
デロイト トーマツ税理士法人
テクニカルセンター シニアマネジャー
元国税審判官・公認会計士・米国公認会計士。司法書士試験合格
デロイト トーマツ税理士法人に入社後、国際税務コンサルティング業務を経験し、現在は、法令解釈や判例分析に基づく相談業務や教育研修業務などに従事している。民間専門家として、国税審判官(特定任期付職員)に登用され、審査請求事件の調査・審理を行った経験を有する。
京都大学理学部卒。
主な著書:
『[テーマ別実務分析]最新 法人税の重要判例』(ロギカ書房)
『条文・事例・図表で読み解く 繰越欠損金の税務』(ロギカ書房)
『判例に学ぶ 税法条文の〝実践的〟読み方』(ロギカ書房)
『子会社株式簿価減額特例―国際的な配当をめぐる税務』(ロギカ書房)
『新版【法律・政省令並記】逐条解説 外国子会社合算税制』(ロギカ書房)
『【法律・政省令並記】逐条解説 外国税額控除~グループ通算制度・外国子会社合算税制対応~』(ロギカ書房)
『【法律・政省令並記】逐条解説 過大支払利子税制』(ロギカ書房)
『[処分取消事例]にみる 重加算税の法令解釈と事実認定』(ロギカ書房)

◎デロイト トーマツ税理士法人
拠点: 東京、札幌、仙台、新潟、長野、高崎、さいたま、北陸、静岡、浜松、名古屋、大阪、広島、高松、松山、今治、福岡、鹿児島
デロイト トーマツ税理士法人は、日本で最大級のビジネスプロフェッショナル集団「デロイト トーマツ グループ」の一員であると同時に、世界四大会計事務所「デロイト」の一員でもあります。「トーマツ」ブランドが培ってきた信頼と高い専門性に加え、全世界150 を超える国・地域で展開する「デロイト」のグローバルネットワークを生かし、プロフェッショナルとしてクライアントのビジネス発展に貢献していきます。
私たちの最大の強みは、デロイト トーマツ グループの総合力です。国内外での豊富な実績を誇る税務サービスだけにとどまらず、監査・保証業務、コンサルテイティブ(ストラテジー・リスク・トランザクション、テクノロジー・トランスフォーメーション)、法務の領域でもグループ内の連携を図り、組織や専門分野の枠を超えた総合的なサービスを提供しています。特にデロイト トーマツ税理士法人は、日本の大手税理士法人の中でも最大級の国内18 都市に拠点を設けており、全国規模で多様化するクライアントのニーズにこたえています。

【内容】
「判例の分かる税理士は優秀な税理士」という時代がすでに到来しつつある―これは、金子宏名誉教授(東京大学)が『最新租税基本判例70』(2019)の「はしがき」に寄せた言葉です。
今日では、インターネットや書籍・雑誌を通じて判決情報に容易にアクセスできるようになりました。しかし、それだけで判決が「分かり」、他の事案に生かせるようになるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
他方で、本来参照すべき判決本文は詳細で長文になりがちであり、実務家が十分な時間を割いて読み込むことは容易ではなく、判決を効率的・効果的に読み解くための工夫も求められます。
そこで本書では、租税判例等(判決・裁決)を効率的・効果的に読み解くための手がかりとして、その読み方に関する基本的な考え方を整理するとともに、実際の判決文・裁決書を取り上げて、具体的にどのように読み進めていくかを示す構成としました。
具体的には、以下のとおり、本書は9章構成としています。
第1章では、まず「争訟制度」の全体像を概観します。
第2章では、①そもそも「判例とは何か」、②判決文のうちどの部分が「判例」とされるのか、③その判例の射程がどこまで及ぶのか、といった問題を取り上げます。
第3章では、判決文からいったん離れて、①「判決要旨」や「判例解説(評釈)」との付き合い方、②判例と学説との関係、③判決・裁決を利用する際の留意点などについて解説します。
第4章では、裁決書の基本的な構成に沿って、各セクションに一般的に記載される内容や、理解の手がかりとなるポイントを解説します。
第5章は、第4章の〝実践編〟に当たる章で、不服審判所裁決令和6年3月25 日裁決事例集134 集37 頁(重加算税賦課決定処分取消請求事件)の全文を読み進めながら、裁決書の構成やそこから読み取れることなどを解説します。
第6章では、下級裁判所の判決文の基本的な構成に沿って、各セクションに一般的に記載される内容や、理解の手がかりとなるポイントを解説します。
第7章は、第6章の〝実践編〟に当たる章で、判決から更正金額の計算根拠を読み解くことに主眼を置いて、東京地判平成27 年9月29 日税資265 号順号12727(有利発行課税事件)の抜粋を読み進めます。
第8章では、最高裁判所の判決文の基本的な構成に沿って、一般的な記載内容や、理解の手がかりとなるポイントを解説します。
第9章は、第8章の〝実践編〟に当たる章で、最二小判平成27 年7月17 日民集69 巻5号1253 頁(米国デラウェア州LPS 事件)の全文を読み進めながら、判決文の構成やリサーチのポイントなどを解説します。
本書が読者の皆さまにとって、判決・裁決の読み方や活用方法に新たな視点をもたらす一助となれば幸いです。
本書の意見にわたる部分は筆者の私見であり、所属する組織の公式見解ではないことを申し添えます。

【目次】
はじめに
◆第1章 争訟制度のあらまし
1 司法と行政
1.1 三権分立
1.2 司 法
1.3 行 政
2 訴訟
2.1 裁判所の組織
2.2 審級制
2.3 判決の効力
3 不服申立て(国税)
3.1 国税の不服申立制度の概要
3.2 国税不服審判所の特色
◆第2章 判例の意義と射程
1 判例とは
1.1 定 義
1.2「判例」と「裁判例」
2 どの部分が「判例」なのか
2.1 真の「判例」と傍論
2.2 真の「判例」
2.3 傍 論
3 判例の射程
4 個別意見
4.1 個別意見制
4.2 個別意見のはたらき
◆第3章 判例分析の視点と関連文献
1 判例を読むための資料①:判決要旨
2 判例を読むための資料②:判例解説等
2.1 調査官解説
2.2 判例評釈
3 判決と学説との関係
4 税務争訟の発生状況
4.1 訴訟の発生状況
4.2 争訟の多い分野と少ない分野
◆第4章 裁決書を読む(理論編)
1 裁決書の特徴
2 裁決書の構成
2.1 法令の定め
2.2 裁決書の構成
2.3 解 説
◆第5章 裁決書を読む(実践編)
◆第6章 下級審の判決書を読む(理論編)
1 判決書の特徴
2 判決書の構成
2.1 法令の定め
2.2 判決書の構成
2.3 解 説
2.4 参 考
◆第7章 下級審の判決書を読む(実践編)
1 判決書の骨子
2 更正金額の計算根拠
2.1 事案の概要
2.2 原告の請求の趣旨
2.3 更正処分の内容
2.4 本件増資前後の出資関係
2.5 受贈益の額の計算
2.6 まとめ
3 裁判所の判断(参考)
3.1 争 点
3.2 判 旨
3.3 解 説
◆第8章 最高裁の判決書を読む(理論編)
1 判決書の特徴
2 判決書の構成
2.1 判決書の構成
2.2 解 説
3「正しい」理解のために
◆第9章 最高裁の判決書を読む(実践編)
◆巻末資料
巻末資料1 公表裁決事例要旨の分類別件数(法人税関係)
巻末資料2 裁決要旨の争点別件数(法人税関係)
巻末資料3 事件記録符号

◎奥付情報
印刷・製本 亜細亜印刷株式会社
初版発行 2026年3月31日