いわずにおれない 素人学講義

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いわずにおれない 素人学講義

こんな道理が通っていいのか!
原子力発電  地球温暖化  東京オリンピック  自民党総裁選  ロシアのウクライナ侵攻  イスラエルのガザ侵攻  トランプ大統領  プーチン大統領・・・
戦争を知る私だからこそ言っておきたい‼

神沼 克伊 著
A5判・228頁(H188×W127×D14.5 420g)並製 
◆定価:本体価格 1,800円+税
◆ISBN978-4-911064-31-3 C0036
◆2025年10月25日発売

【著者略歴】
神沼 克伊(かみぬま かつただ)
国立極地研究所並びに総合研究大学院大学名誉教授
固体地球物理学が専門
1937年6月1日生まれ。神奈川県出身
1966年3月 東京大学大学院修了(理学博士)、東京大学地震研究所入所・文部教官助手、地震や火山噴火予知の研究に携わる
1966年12月~1968年3月 第8次日本南極地域観測隊越冬隊に参加
1974年5月 国立極地研究所・文部教官助教授に配置換え、以後極地研究に携わる。南極へは合計16回公務出張
1982年10月 文部教官教授
1993年4月 総合研究大学院大学教授兼任
【主な著書】
『南海トラフ地震はいつ来るのか』(ロギカ書房、2025年)、『巨大地震を生きのびる』(ロギカ書房、2023)、『世界旅行の参考書「あしたの旅」─地球物理学者と巡るワンランク上の旅行案内』(ロギカ書房、2022)、『南極情報101』(岩波ジュニア新書、1983)、『南極の現場から』(新潮選書、1985)、『地球の中をのぞく』(講談社現代新書、1988)、『極域科学への招待』(新潮選書、1996)、『地震学者の個人的地震対策』(三五館、1999)、『地球環境を映す鏡南極の科学』(講談社ブルーブックス、2009)、『みんなが知りたい南極・北極の疑問50』(ソフトバンククリエイテブ、2010)、『次の超巨大地震はどこか?』(ソフトバンククリエイテブ、2011)、『白い大陸への挑戦日本南極観測隊の60年』(現代書館、2015)、『南極の火山エレバスに魅せられて』(現代書館、2019)、『あしたの地震学』(青土社、2020)、『あしたの南極学』(青土社、2020)、『地球が学者と巡るジオパーク日本列島』(丸善、2021)、『あしたの火山学』(青土社、2021)、『あしたの防災学』(青土社、2022)、『地震と火山の観測史』(丸善、2022)他多数。

【内容】
 日常生活の中で、「何か変だ」「話の筋が通らない」と感じる事象に直面し、その問題や課題にどう対処してよいか分からないことがしばしばある。そんなとき、私は素人なりにどうして「筋の通らない話」になるのか、「どうしたら筋が通る話になるのか」などその理由を考えたし、これからもそうするだろう。
 そんなときの考え方の基本を検討した。理屈は分からないが何かおかしい、と多くの人が感じることは、やはり世の中にとって良いことではないとするのが一つの世論である。その世論を追求することを素人学と呼んで、その理由を考える指針を本書に示した。
 2020年4月1日、政府の中央防災会議は富士山の大規模噴火が発生した時の、首都圏の被害推定を一斉に報じた。その中で数百年から1000年に1回ぐらいは起こる巨大噴火では、流れ出した溶岩が神奈川県にまで達すると報じられた。神奈川県の自治体にとって、富士山からの溶岩流が県境を越えてくることなど想像しなかったことであった。
 論理的には各自治体は溶岩流入に対し、最悪の事態を想定し対処すべきだ。しかし、現在自治体にとって必要な対策は、その自治体の最も若い職員が定年になる30年か40年先程度ではないか。それが彼らの思考範囲で、それ以上長い期間に対しては、現在の自治体が考えることは無意味に近い。しかし、1000年に一度の現象が明日起こるかもしれない。そんな場合、どのように考え、対処していったらよいのだろうか。このような問題に素人がどう対処すべきか、その考え方を素人学として第1部で考えてみた。
 中国で2029年から始まったコロナパンデミック(COVID-19)は、翌2020年2月には日本でも広がり始めた。メディアは連日、この新しい感染症の報道を始めた。ところが、テレビで解説する専門家の話も、首相以下政府関係者の話も、私は理解できないことが多かった。時を同じくしてオリンピックやパラリンピックが問題を含みながらも開催された。そしてようやくなぜ私は理解できなかったのか、その原因が分かってきた。ほかの問題にも応用ができると考え第2部にまとめた。
 コロナ禍がようやく峠を越えた2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。軍人ばかりでなく女性や子供を含む多くの民間人が犠牲になり、プーチン大統領という独裁者の野望達成のための悲劇と世界中の心ある人々は、自分が何もできないことに切歯扼腕していた。その1年半後10月7日、パレスチナ・ガザ地区からイスラエルへの砲撃が起こり、200名を超える人々がパレスチナに拉致され、イスラエルが反撃を開始した。ハマスを掃討するというガザ地区内でのイスラエルの攻撃は熾烈を極め、多くの民間人が犠牲となった。この2つの戦争から得た素人学的な結論は、戦争を止めさせる、戦争を起こさせない力を発揮できるのは「女性だけである」となった。その詳細は第3部に詳述したが、結果的には本書の最大の目的になった。「戦争の無い世界の創造は、女性たちが世界のリーダーになること」が1つの結論である。

【目次】
はじめに
◆第1部 素人学から見るいろいろな事象
〇1 素人学
1 困ったとき
2 素人の発想
〇2 常識
1 「常識がない」は非常識
2 非常識の例
3 常識とはある集団の共通知識
4 常識より良識
5 常識、良識、教養で説明できないこと
6 優先席
7 高齢者が置かれた状況
〇3 自然の摂理
1 崖崩れ
2 原子力発電
〇4 地球は有限
1 1970年代の発信
2 地球に優しくしてもらうためには
3 地球温暖化は本当か
4 高レベル放射性廃棄物の処理
〇5 素人学の限界
1 1000年に一度の自然現象への対応
2 論理学の限界
3 戦争はしない日本国憲法
4 戦争をしない軍隊・自衛隊
5 清濁併せる必要
◆第2部 素人学からコロナ禍と政治を知る
〇6 コロナ禍で起こったこと
1 専門知識の欠如
2 専門家の混迷
3 最初の躓き
4 第1回緊急事態宣言
5 ある首長の言葉と万円給付
6 Go To の開始
〇7 苦難は続く
1 新首相の登場
2 第2回緊急事態宣言
3 第3回緊急事態宣言
4 ワクチン
5 ワクチン接種の猪突猛進
6 第4回緊急事態宣言
〇8 コロナ禍でのオリンピック
1 オリンピックの延期
2 戦略なき延
3 菅首相の対応
4 専門家の反撃 
〇9 特別扱いなしのオリパラ
1 誰も言わなかった「オリンピックは特別」
2 無観客でのオリンピック
3 オリンピック開始後の感染拡
4 増え続ける感染者 
5 IOCの役割
6 日本選手の活躍と態度
〇10 パラリンピックまで
1 感染者数の増加と医療崩壊
2 自分の身は自分で守れ
3 緊急事態宣言の再延長
4 分科会会長の発言
5 パラリンピックと子供たちの観戦
6 開催してよかったパラリンピック
〇11 大転換
1 政界の混乱
2 緊急事態宣言の延長
3 感染しても診療を受けられない
4 緊急事態宣言の解除
〇12 自民党の総裁選
1 不思議なこと
2 科学的思考の欠如
3 総裁選は権力闘争
4 それでも「寄らば大樹の陰」
5 岸田首相の不可解な判断
6 岸田首相の突然の減税案
7 裏金問題と安倍派
8 石破茂新首相の誕生
◆第3部 素人学で平和を求める
〇13 プーチン大統
1 ロシアのウクライナ侵攻
2 民間人の犠牲
3 独裁者の野望
〇14 イスラエルのハマス掃討
1 ハマスの攻撃
2 イスラエルの反撃
3 周辺に拡大
4 ガザ地区に重なる私の戦争体験
5 民族と宗教
〇15 戦争の悲惨さ
1 空襲
2 東京大空襲
3 浮浪児
〇16 地球の平和は女性の力で
1 男と女
2 争いの原因
3 戦争の火種
4 女性の叫び
5 中国の海外援助の現実 
6 トランプ大統領の再登場
7 女性が創る戦争の無い世界
8 戦争の無い世界になると
あとがき

【奥付情報】
印刷・製本 モリモト印刷株式会社
初版発行 2025年10月31日