スポーツか科学から見た サッカーの理論 =初心者指導バイブル=

|本の詳細

スポーツか科学から見た サッカーの理論 =初心者指導バイブル=

9000部を売ったサッカー指導をリニューアル
25年の歳月を経て完成した、綿密なステップを踏んだドリル。
サッカー指導歴40年の集大成、決定版!!

麓 義信 著
A5判・240頁(H210×W148×D15 380g)並製 
◆定価:本体価格 1,800円+税
◆ISBN978-4-911064-20-7 0075
◆2025年2月8日発売
◆デザイン:Izumiya

【著者略歴】
麓 義信(ふもと よしのぶ)
[略歴] 
1948 年東京生まれ
東京大学教育学部博士課程中退
東京大学助手、弘前大学講師、同助教授、同教授を歴任
弘前大学名誉教授
[専攻分野] 運動・スポーツ心理学、サッカー指導
[著書]  
◎研究分野=「新しいスポーツ心理学入門」、「運動行動の学習と制御:運動制御へのインターディシプリナリーアプローチ」
◎指導分野=「 改訂版 スポーツ心理学からみたサッカーの理論」、「ゼロからのステップアップ 確かなサッカー技術の習得と指導のために:インサイドキック基本編」、「同応用編」
◎日本文化論(評論家 杉崎隆晴)
「国立大学:権力構造の謎解き」、「政治経済そしてスポーツ:競争の現代的意味」、「スポーツは民主主義のバロメーター:スポーツで読み解く競争社会の本質」

【内容】
教員養成学部で200 名の初心者男女学生を相手に15 年以上の授業経験を踏まえて『スポーツ心理学からみたサッカーの理論』を新書版で世に問うたのは、30年近く前のことでした。いくつかの雑誌で紹介され、また、いくつかのホームページでもご推薦いただき、増補版も含めて9,000 部を完売しました。
前著出版後、いくつかのホームページを見ていると、図版がわかりにくいとの批判が散見されました。その時から改訂することを考えていたのですが、多忙でなかなか筆が進まないままになっていました。その間、自らのビデオ画像を使ったインサイドキックの詳細な解説書を世に出しましたが、マニアックすぎたようです。そのため、次に企画していたインステップキック編が未完のまま時間が経ちました。そういうこともあって、いたずらに年を重ねているうちに定年を迎えました。その後、前著の改訂に向け、在職中に蓄えていたビデオ画像を使い少しずつ書きためていたところ脳溢血を発症してしまいました。
それから2 年以上が経過し、時間はかかるもののパソコンも使えるようになり、執筆を再開し、この度、リニューアル版をロギカ書房より発刊することになりました。
今回の版には、40 年の大学授業体験と大学サッカー部の指導体験を踏まえて初心者指導の要点を、作戦面も含めて解説してあります。部活動経験のない大学生を対象としたサッカー授業の教科書として使われることを意識して書きましたが、基本技術の解説の後の応用技術の解説を前回よりも多くしましたので、学校の部活やクラブでの指導でも十分に使えると思います。指導者のみならず、選手自身が「サッカー」あるいはより根源的には「スポーツ」に対する学習姿勢を確認するためにも、読んでいただければ幸いです。
前著増補版では、大学の授業の教科書として利用している時に、学生にインサイドキックとインステップキックについての感想を求め、それに対する回答を添えたものを紹介しましたが、その一部分を巻末に付けました。初心者がどのように感じているかを理解することで、自分のレベルアップの参考になると思います。また、指導者にとっても、初心者の考えていることがわかって、指導力のアップに寄与すると考えます。

【目次】
前書き
■第1 章 人間の運動を分析する視点
第1 節 科学的観察とは
第2 節 人体はなぜ動くのか(生理学と解剖学)
第3 節 人体はどう動くのか(物理学)
第4 節 人はどうやって動作を学習するのか(運動学習の理論)
第5 節 動作選択とその背景(状況判断の理論)
第6 節 人は何によって場面に最適な動作を選択するのか(認知地図の利用)
第7 節 動作分析と運動学習に関する研究・知識はどのように役立つか
■第2 章 技術のトレーニング
第1 節 インサイドキック
1 インサイドキックはなぜ難しいのか
2 インサイドキックの力学
3 静止ボールのインサイドキック
4 インサイドキック学習上の問題点
5 動くボールのキック
6 キック方向のコントロール
第2 節 インステップキック
1 インステップキックの力学
2 インステップキック学習上の問題点
3 キックに先立つ予備練習
4 静止ボールのインステップキック
5 インステップキック練習上の問題点
6 インステップキックの応用練習
第3 節 状況に合わせたキックの応用
1 全力で走り込んでの別方向へのキック
2 ボールを浮かせるキック
3 浮いたボールのキック
4 インフロントキック
第4 節 トラップとヘディング
1 ボールコントロールの力学
2 学習上の問題点
3 インサイドでのトラップ
4 三角形を作ってのトラップ
5 腿でのトラップ
6 胸でのトラップ
7 トラップの応用練習
8 ヘディング
第5 節 立ち足のバランスの重要性とドリブル
1 ドリブルとキックの違い
2 立ち足のバランスの重要性
3 インステップキックと立ち足のバランス
4 ドリブルと立ち足のバランス
5 キックの延長としてのタックル
6 まわりを見る技術
■第3 章 戦術のトレーニング
第1 節 対人戦術の基礎
1 守りのポジショニングの原則
2 守りのポジショニングを崩す原則とそれに対する守備側の守りの原則
第2 節 集団プレイの基礎
1 守りの原則とパス攻撃の原則
2 フィールドでの自然な動きとそれに打ち勝つ工夫
3 バックパスはなぜ難しいか
4 スルーパスと認知地図
5 オープンスペースの利用はなぜ難しいか
6 パスアンドゴーの意味
7 チームプレイの原則を踏まえた基礎練習
第3 節 試合でのゲームコントロール
1 パスカットの原則
2 パスカットができない時の守備
3 原則を崩す動き
4 フォーメーションの問題
5 戦略の問題
■第4 章 練習の心構え
第1 節 やる気と反省
第2 節 目標の設定
第3 節 プレーの評価
第4 節 フェアープレーについて
後書き
参考 初版を授業の教科書として使用した時の学生の質問と回答
参考文献

◎奥付情報
印刷・製本 モリモト印刷株式会社
初版発行 2025年2月20日